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  • 宮﨑 秀彦

採用面接で直感を信じてはいけない

 以前の記事で直感の仕組みについてご紹介したのですが、本日は直感の危険性をお伝えしたいと思います。


 元Goole人事担当上級副社長のラズロ・ボック氏の著書「WORK RULES!」では、Googleの採用・育成・評価の仕組みが述べられています。その中で、『直感を信じてはいけない』というタイトルの章がありましたので、こちらからご紹介します。


 どういう文脈かと言いますと、直感を使ってはいけないのは、面接官として採用面接を行う場合です。トレド大学での2000年に行われた研究結果によると、面接官は候補者と会って10秒で相手を判断し、残りの時間は判断を確かめるために質問を行うそうです。つまり職務に必要なスキルを確認するためではなく、自分の直感を確かめるために話続けているのです。これを確証バイアスと言います。


 この時面接官の心理は、「自分は目の前のものを理解しつつある。個人の資質を見抜ける」というものです。どうでしょうか?私はすごく心当たりがあります。。。


 直感の仕組みの記事でご紹介したように、直感というのは同じパターンをいくつ経験できたかという事が重要です。新規採用者が業績を上げるには数ヶ月のタイムラグがあります。したがって面接と業績を結びつけた直感は形成しづらいのです。一方、現実の面接においては『資質』を見ようとしています。『資質』は確かに業績貢献の一部ではありますが、その他確認すべき様々なことが無視されており、面接の品質を低下させているということを研究が明らかにしたのです。

 この様な課題に対して、Googleはどの様なテストや質問をすれば正しく業績を評価できるのかを調査し、複数のテストを組み合わせたオリジナルの面接システムを開発しました。要素となるテストは、通常の面接でも使える方法ですのでご紹介致します。

パーセントは、そのテストが本人の職務能力をどの程度説明できるかという指標です。


①ワークサンプルテスト(29%)

実際の業務と同じ課題を行い能力を確認する。しかしこの場合、協調性、不確実性への適応力、学習能力などは測定できない。コールセンターなどの定型業務、エンジニアによるアルゴリズム開発能力はこのテストで確認できる。


②一般認識能力テスト(26%)

知性と学習能力を測定するもの。日本ではSPIに相当すると考えられる。


③構造的面接(26%)

全ての面接官が同じ質問をする。行動面接と状況面接を組み合わせて行う。

行動面接:○○したとき貴方はどうした?

状況面接:もし○○な時、貴方はどうする?


これによって確証バイアスに影響されない面接を行う事ができる。

難点は、全ての面接官に同じ質問を実施してもらう事、受験者に準備されないように定期的に変更する必要があること。なお構造的面接ではどのような質問を行うかが鍵。

(Googleでは、なんと一万人の社員と、不採用になった数百万人を調査して業績貢献に影響する特徴を見つけ出し、質問項目を作成したそうです)



①②③を組み合わせてテストすることで、実際の職務能力に近い測定を行う事ができます。

ちなみに、非構造的面接(面接官の自由な質問)は14%、身元照会は7%、経験年数は3%、筆跡鑑定は0.04%しか実際の職務能力を説明できないとのこと。

 本書で興味深かったのは、採用活動そのものがPRであるということでした。Googleでは不採用になった方にもアンケートを行っており、不採用者の80%が友人にもGoogleへの応募を薦めたいと思っているという結果があるそうです。


 一に採用、二に人事異動という言葉は、最近復刊した「心理学的経営」でリクルート大沢武志氏が述べている実践知です。労働人口減少が進む時代においては、採用ミスマッチは致命傷になり得ます。ますますこういった知を活用していく必要があるなと感じます。


 さて、以上の通り、直感は万能ではありません。使い所を見極め有効活用していきましょう!

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